【ばらのまちの福山】 広島県福山市の熱意で誕生したバラ酵母!
広島県福山市の中心部にある、バラ公園の植樹数はおよそ280種5500株と言われていますが、
ここ福山市では、バラ公園以外にも市内のいたるところにバラが植樹されており、通りの花壇や道路脇、
各個人の庭や空き地に至るまで様々な場所でバラが咲いています。
市内各地に花開くバラの風景は行政だけでなく、市民一人ひとりがバラを愛でる意識が成し得た景色だと思います。
多年にわたる館長と民間企業、市民が取り組みの結果、現在では、その総数で100万本とする福山市は「バラの街」として知られています。
その100万本のバラが咲く広島県福山市で、バラの酵母から作ったパン種が6年もの歳月を経て誕生しました。
福山大学の久冨泰資教授が2013年5月に研究に着手し、50品種のバラから1300株を超す野生酵母を分離することに成功し、
その中からパン作りに最適な酵母を見つけ出しました。
最終的にパン種に仕上げることができたのは、ミスターリンカーンという真紅のバラの品種から採取された野生の出芽酵母で、
古来から発酵醸造に用いられてきたサッカロマイセス・セレビシエという酵母の仲間で,食経験や安全性の面からも申し分ない酵母菌株です。
これを使ってホシノ天然酵母パン種(東京都町田市)がパン種を試作し、2018年12月に製品化にこぎつけます。
日本古来の醸造技術と地産地消食材でおいしいパン種
ホシノの土田耕正社長は「日本古来の醸造技術と地産地消食材でおいしいパン種ができた」と話されています。
福山市では、販売前日にバラ酵母パン種で作ったパンを試食するモニターの方々からは、
香り、食感、味わいにおいて、これまでにない特徴のある上質なパンの仕上がりに大好評でした。
バラ酵母パン種から作ったパンはフルーティーな吟醸香と、もっちりしっとりした食感が特徴です。
天然酵母を使った製パン店「ブーランジェリーハル」は、80種類の製パンすべてに
採用し、市内では有名店です。
ぜひ一度は味わってみたい、近くにあれば、通いたいですね!
他にも福山産のばら酵母のパン屋さんは、たくさんありますので、
パン好きにはたまらなくパン活してみたいです。
ホシノ天然酵母パン種は、お店とネット通販でも購入できます。
1袋500gから50gが5袋の小分けされたものがあり、作る量に合わせて選べるのは嬉しいです。
天然酵母は身体に良く、美味しく、手作りに挑戦してみるのもおすすめです。
おうち時間のパン作り、時間をかけてしっかり楽しめることと思います。
バラ酵母を使ったワイン醸造
また、備後地方ではバラ酵母を使ったワインが醸造されており、
酵母は真核生物の仲間で、その大きさはヒトの髪の毛の直径の10分の1くらいしかありません。
もちろん、肉眼では見えないのですが、顕微鏡を使うと芽を出して増殖する様子が観察されます。
神秘的にさえ感じます。
2018年の9月28日に、「せらワイナリー」で赤ワインの仕込みを行いました。
ブドウは世羅町産のマスカット・ベーリーAで、酵母は福山大学で開発されたバラ酵母1株とブドウ酵母3株です。
いずれも発酵食品の製造によく用いられるサッカロマイセス・セレビシエという酵母の仲間です。
備後地域では福山大学が開発したワインに適したバラ酵母などを活用した”ワインの街づくり”が進んでいます。
「備後ワインは酵母の力により果実本来の芳醇な甘い香りと柔らかな酸味をバラ酵母が余すことなく引き出している」
社長の中島基晴さんは、地産地消の食材で福山のトータルな食文化を全国発信していく、と意欲的です。
720ミリリットル入り、1本2000円ほど、少し贅沢なワイン、こちらもネット通販でも購入可能です。
福山市で咲いたバラから採取した酵母を使ったクラフトビール(地ビール)「備後福山ブルーイングカレッジ」
経営する小畑昌司(こばたけしょうじ)さんもJR福山駅近くの醸造所で完成し、販売が始まりました。
発酵食品を使用して、パン、ワイン、ビールに続き今度は日本酒に応用されるとのことで、
福山ばら酵母の勢いは止まりません。
福山市のあらゆる企業の方たちの切磋琢磨された努力により、地域活性され続ける姿には深く感動します。
70年にわたる薔薇への熱心な思い、そこには一丸となって協力する市民の方々の熱意と想いが伝わってきます。
今後、全国展開、世界へ発信されること大いに期待します。
2025年「世界バラ会議福山大会」が開かれる予定で、世界中からバラの愛好家や育種家などが集います。
福山市発祥の安心安全なばら酵母がうまれる新しい食文化と、市内のばらが咲き誇り、その華やかな姿と香りの素晴らしさは、
訪れた人々を感動し、魅了することと思います。