カーネーション江戸時代に輸入

カーネーションとはナデシコ科ナデシコ属の多年草です。南ヨーロッパや西アジアなどの地中海沿岸が原産と言われています。古代ギリシャやローマの時代にはすでに栽培されていたとされ、とても歴史ある花です。日本では江戸時代に最初に輸入されましたが、その時はそれほど流通せず、明治の終わり頃から栽培が始まり全国に広がっていったとされています。

開花期は4月から6月ですが、ハウス栽培によって年間を通じて出回り、ブーケやフラワーアレンジメントでよく利用されています。日本で一番出荷量の多い花はキクでその次に出荷量の多い花がカーネーションとなっています。(令和元年)それはやはり母の日に送る花として広く定着していることが要因となっています。

色と形

カーネーションといえば、赤やピンクでフリルのように幾重にも重なった花びらをもつ花のイメージがありますが、品種改良によって実は他にもたくさんの色や形があります。色は淡い緑や黄色、オレンジや白、品種改良を行い青色の色素を持つ青や紫といった珍しいカーネーションも誕生しています。また、カーネーションの花言葉は色によって違います。

定番の赤は「母への愛」。ピンクは「女性の愛」「美しい仕草」「感謝」。白は「純粋な愛」。紫は「気品」「誇り」などとなっています。このような花言葉からしても、母の日にピッタリの花といえます。

 

また、花の付き方や花びらの形の特徴でもいくつかの種類に分けられます。

<花の付き方>

①スタンダード…一本の茎の先に一輪の花がついているタイプです。

②スプレー咲き…枝分かれした茎の先に複数の花や蕾がついているタイプです。

 

<花びらの特徴>

①剣弁咲き…花びらの縁がギザギザしているカーネーションで一番代表的な花の形です。

②極剣弁咲き…先端がギザギザしている細く尖った花びらで別名「スター咲き」とも呼ばれます。一見カーネーションには見えない珍しいタイプです。

③丸弁咲き…花びらの縁がギザギザしていない丸みを帯びた花びらのタイプです。

④ひと重咲き…一般的なカーネーションのように花びらが幾重にも重なっているのではなくひと重のタイプです。小ぶりの花でナデシコと見分けがつきにくいです。

育て方

カーネーションは風通しが良く、日当たりが良い場所を好みます。日照不足になると花が咲かずに蕾のまましぼんでしまう可能性があるので、日当たりが重要になります。比較的乾燥には強いですが、高温多湿や長い雨には弱いので水分を与えすぎてしまうと根腐れしやすくなります。

また、乾燥に強いという特徴から切り花にしても丈夫で、花持ちがとても良いです。数時間程度であれば水がなくてもしおれません。高温多湿の日本の夏場の気候では花持ちは長くて一週間程度ですが、冬場は長いと二週間以上持ちます。茎を斜めに切って吸水の効率を良くし、涼しい場所に置いたり、水替えをしっかり行うことで長く楽しめる花です。

カーネーションの産地 広島県の江田島市

そんなカーネーションの産地のひとつとして広島県の江田島市があります。江田島市は呉市の南、広島湾に浮かぶ江田島と能美島など複数の島からなる市です。広島県内で一番大きい島で瀬戸内海でも四番目に大きい島です。江田島市は温暖な気候を生かし、柑橘類や野菜の生産、そして県内でも主要の花き(観賞用の植物)の生産地となっています。カーネーション以外にも、パンジーやスイートピー、キクやバラなども生産されています。多くの種類の花の生産が行われていることから「花の島」として親しまれています。

瀬戸内海に浮かぶ島々は多くが山々に囲まれており広い平地を確保することが難しいことから、狭い土地でも生産がしやすく収入が得られる花き生産がさかんに行われてきました。また、日当たりのよい土地を好み、長雨に弱いカーネーションは、温暖で雨の少ない瀬戸内海の気候にとても適しており、江田島市では戦前から多く栽培されてきました。しかし、そんな江田島市も近年は高齢化や後継者不足により農業従事者が年々減少し、花きの生産者も減少しています。そのような状況から若手の農業従事者は「江田島市農業後継者クラブ」を結成し、島の農業を受け継ぎ活性化させていく努力をしています。

 

カーネーションは春に開花し、5月に母の日もあることから江田島市の農家は母の日に向けて出荷がピークを迎えます。一つの農家で定番のカーネーションをはじめ、スター咲きの珍しいカーネーションなど数十種類の色とりどりのカーネーションを栽培し、出荷しています。

日本で二番目に出荷量の多いカーネーションですが、流通しているものの半数以上は実は海外産で輸入も多くされている花です。お店で購入する際に、花では食品のように産地を把握するのはなかなか難しいですが、江田島産のカーネーションはインターネットでも購入することができます。江田島市の生産者さんから産地直送で購入できるので新鮮なお花が届き、長く楽しむことができます。

江田島市の生産者さんとのつながりも意識しつつ、国内の農業を応援する意味でも産地から新鮮なお花を直接購入するというのはとても魅力的ではないでしょうか。

長坂農園 香りもステキです。

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